労務管理とは?

企業が利益を上げていくためには、「人」「もの」「金」「情報」が必要であり、これらを効率的に投資することで、利益を生み出すという活動を続けているのが企業であると言えるでしょう。

これらの投資を行うにあたって、計画や管理が必要であり、労務管理というのは「人」に対する管理をすることを指します。

労務管理の具体的な内容としては、労使関係に関する施策や制度を整え、運営していくこと、賃金、賞与、手当て、労働時間、休日・休暇、福利厚生など労働条件に関することを管理し運営していくことなどが、労務管理にあたります。

もの、金、情報を動かしていくのは人であることから、労務管理というのは、他の資源に対する管理より重要だといえるでしょう。

 

労働者災害補償保険とは?


労働者災害補償保険(労災保険)とは、労働者災害補償保険法に基づいて、業務災害・通勤災害に遭ってしまった労働者(あるいはその遺族)に保険給付を行う、政府が行っている保険制度です。

労働者を一人でも(パート、アルバイト含む)雇用する事業者は、必ず労働者災害補償保険と雇用保険に加入しなければなりません。

また、建設業界の一人親方など、労働者災害補償保険への特別加入が認められているケースもあります。

労災事故が起こってしまった場合、労働者災害補償保険からの給付だけでは保障が不十分な場合には、民間の労災保険(任意労災、上乗せ労災)を活用して、充分な保障を確保するという事業主もいます。

労災事故が起こって、労働者が労働者災害補償保険から給付を受ける場合には、請求は労働基準監督署に行うことになります。

 

労働保険とは?

労働保険とは「労働者災害補償保険(労災保険)」と「雇用保険」の2つを総称する言葉です。

労働者を一人でも雇用している事業主は、労働保険に加入しなければならず、労働保険料を納めなければならないことになっています。

労災保険というのは、業務についている間に起こった災害(ケガ、病気、障害、死亡など)について、保険給付が受けられる制度です。

また雇用保険というと「失業保険」を連想する方も多いかと思いますが、労働者が失業した場合に、労働者の生活や雇用の安定を図ることや、再就職をスムーズに進めるための給付を行うのが雇用保険です。

ハローワークなどに行くと、職業訓練の案内がありますが、これは雇用保険の事業として行われているものです。

 

労働環境と労災

労働環境とは、労働者を取り巻く環境のことなのですが、いわゆる「作業環境」だけを指すにとどまらず、労働時間や人間関係、その他のことも含めて「労働環境」と言うケースが多いです。

劣悪な労働環境では労災事故が起こりやすいことは、容易に想像がつきますので、できれば労働環境を改善して、労災を防止していきたいものです。

たとえば、職場の環境を改善するためには「作業環境」「作業方法」「休憩室や洗面所、トイレなどの環境」を点検し、改善していくと良いでしょう。

また、職場の空気(臭い、粉塵、温度など)や照明の明るさ、騒音の状況がどうかということも、労働環境の一部として点検し、改善していくことで労災防止につなげていくことも大事です。

 

労災保険


労災保険には、国が運営している「政府労災」と、民間の保険会社が運営している「任意労災、上乗せ労災」というものがあります。

労働者を一人でも雇い入れる事業主は、国の労災保険に必ず加入することが義務付けられています。

また、建設業における一人親方といった立場の方にも、政府労災保険の特別加入が認められています。

事業者が労災保険に加入することで、労働者は労災に遭ってしまった場合にも、安心して療養ができることにつながります。

ただ、政府労災保険からの給付というのは、必要最低限のものでしかなく、業種によってはケガや病気の程度が大きくなってしまうケースもあるため、より充実した保障を確保しておきたい、という場合もあるでしょう。

その場合には、民間の保険会社が運営する任意労災保険や上乗せ労災保険を活用すると良いでしょう。

 

労災と様式

労災の給付を受けるためには、一定の書類を用意し、労働基準監督署などに提出する必要があります。

たとえば「療養補償給付たる療養の給付請求書」は、5号様式と呼ばれていて、これを労災病院や労災指定病院に提出することで、労働災害に遭ってしまった人は、無料で治療を受けることができるようになります。

この場合、院外薬局で薬を受け取るならば、院外薬局(労災指定薬局に限る)に「5号様式」を提出することで、お薬を無料で受け取ることができます。

ただし「労働者が怪我をした、倒れた」といった場合に、すぐに5号様式を用意することは、ほとんどの場合できませんので、病院や薬局に「労災です」と申し出ておき、後に5号様式を提出するという形が現実的です。

様式の準備を待っていたら、労働者の生命に関わることもありますので、注意が必要です。

 

労災防止のために

労災は「できるだけ防止する」「それでも起こってしまった場合に備えて、充分な保障を得られる保険に加入しておく」という考えが必要です。

労災防止のためには、各地の労働災害防止協会が安全衛生に関する講習会などを行ったり、一定の時期になるとキャンペーンを行ったりして、労災防止意識を高める工夫をしています。

また事業主の方の中にも、講師を招いての研修・セミナーなどを開催する意識が高まっています。

ただ「理念が立派なだけではいけない」「現場の状況・現場のニーズに即した労災防止策を講じなければ、意味がない」と言えます。

建設業の例で言えば「セミナーなどは積極的に行っていたとしても、現実にはあまりにも短納期すぎる仕事を、労働者が立て続けにこなさなければならない」というような状況が続けば、労災防止など実現できませんので、注意が必要です。

 

労災防止協会

労働災害防止協会(労災防止協会)とは、事業主が積極的に労災防止に取り組むという意識を育てたり、職場の安全衛生の向上を図ったりすることで、労災の絶滅を目指すという目的で設立された協会です。

一定の時期には労災防止のためのキャペーン活動を協会として行っていたり、安全衛生セミナー・研修会の実施や、専門家による職場の安全衛生状態の診断など、様々な活動を行い、サービスを提供しているのが労災防止協会です。

労災保険に加入することも大切ですが、できれば労災が起こらないようにすることも大事です。

労災が少ない状態が続けば、保険会社によっては保険料の計算が、加入者の有利になるというケースもあります。

労災防止協会の存在があることで、労災防止の考えが広まっていくことが、協会の狙いなのです。

 

労災補償の内容は?

日本国内で製造されたものが海外へ輸出されることも増えています。

日本国外で、自社が製造または販売した製品に起因して、他人の身体に障害を負わせたり、他人の財物を損壊してしまった場合には、海外PL保険に加入していなければ、法律上の賠償責任を負うことで被る損害がカバーされません。

また、海外での事故に関しては、海外での事故処理に関して、相談に応じてくれるエキスパートの存在がなければ、損害賠償の金額などが多額にのぼってしまうこともありますので、保険会社によっては、海外の言語や法律に詳しい専門家が、訴訟の相談に応じてくれ、事故処理に協力してくれる仕組みを用意しているケースもあります。

海外での争訟費用は非常に多額にのぼる場合もありますので、できるだけ海外PL保険に加入しておくのが良いでしょう。

 

労災と保険

労災に遭った労働者は、事業主によって「労災である」ことを証明してもらえれば、政府労災からの給付を受けることができます。

ただ、政府労災の保険は「必要最低限の部分」しか給付が行われないと考えて良く、ケガの治療が非常に長引いたり、元の職場に復帰できないようなケガ、病気を負ってしまうことが考えられる職種では、事業主が民間の労災保険に加入するケースもあります。

民間の労災保険には「政府労災の上乗せ保険」として機能するものと、傷害保険をベースに誕生した任意労災と呼ばれるものとがあります。

どちらの保険にもメリット・デメリットがありますので、加入を考える際には、中小企業診断士やファイナンシャルプランナー、社会保険労務士などの専門家に相談すると良いでしょう。