上乗せ労災とは?

政府労災は強制加入であり、上乗せ労災・任意労災は任意加入であることから、「自動車の自賠責保険にあたるものが政府労災」「民間の任意保険=上乗せ労災・任意労災」にたとえられます。

政府労災保険は、療養給付などが受けられ、労働者にとっても安心な存在ではあるのですが、事業主にとっては「慰謝料が発生した場合」「見舞金を負担する必要が出た場合」には、政府労災でカバーすることができません。

また、最近は労災事故に起因する訴訟も起こっており、雇用主の損害賠償責任が問われることになると、その賠償金は非常に多額になることも多いのです。

そこで、政府労災だけではカバーしきれない部分を、上乗せ労災・任意労災などでカバーしていく必要があるのです。

 

公益財団法人 労災保険情報センター

公益財団法人 労災保険情報センターは、労災保険に関する情報提供や、労働者、事業主、医療関係者への各種の支援を行っています。

公益財団法人 労災保険情報センターのホームページ http://www.rousai-ric.or.jp/ を閲覧すると、労災保険の仕組みを基礎から学ぶことができます。

様々な様式、記入例も公開されており「どんな事態になったら、どの様式が必要なのか?」を判断しやすいといえます。

労災事故が発生した場合には、もちろんケガや病気そのもので大変な思いをするのですが、労災保険の知識がないために、右往左往するということも考えられます。

労災事故に遭う前に、公益財団法人 労災保険情報センターというものがあること、そのホームページを見れば、役立つ情報を得られるかもしれないことを知っておき、イザというときには情報を活用しましょう。

 

建設工事と労災


建設工事を行う事業者は、民間の労災保険に加入することが多いです。

というのは、建設現場での労災事故は、ケガの治療が長引く場合もあること、病院での入院治療が終わっても、職場復帰まで時間がかかる人もいることなど、保障を確保しておくことのメリットが大きいケースがあるのです。

また、公共工事を受注したい場合には、一定の条件を満たす民間の労災保険に加入していることで、経営事項審査で加点のメリットを受けられるケースもあるのです。

建設工事業者のためには、労災保険だけではなく、建設工事保険や第三者賠償責任保険などがセットになった保険商品も販売されていますので、自社のニーズを把握の上で、必要な労災保険、セット販売の保険などを利用しましょう。

 

京都で労災に遭ったら

京都で労災に遭ったら、できるだけ近くの労災指定病院で治療を受けることが大事です。

この際、初診については「書類を整えてから病院に行く」ということが難しい場合がほとんどですので、病院に「労災です」ということを告げて、書類の提出は治療後、速やかに行うという約束をするのが良いでしょう。

京都の労災指定医療機関は、京都労働局のホームページを閲覧すれば、探し出すことができます。

また「公益財団法人 労災保険情報センター」のホームページでも、医療機関の検索システムがありますし、様々な様式も公開されています。

万が一、労災認定のことや、労災隠しなどのトラブルが起こってしまったら、京都労働局に相談することや、地元の市区町村の相談窓口、法テラスの利用なども考えるようにしましょう。

 
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