PL法と保険

PL法が施行され、PL保険が民間の保険会社から発売されたり、商工会議所でも中小企業PL保険制度が設けられたりするようになりました。

PL法にもとづいて、消費者から損害賠償請求が起こされる場合には、企業の側も損害賠償金の用意や、争訟費用の用意、頼りになる弁護士を探すこと、マスコミなどへの対応、その他様々な負担が生じることになります。

そのため、PL保険・生産物賠償責任保険と呼ばれる保険に加入しておくことが、大事なのです。

中小企業のオーナーの方は「保険料が負担だから」と、この保険への加入を後回しにしてしまう傾向があるようですが、損害賠償金額が多額にのぼってしまうケースがあります。

保険に加入をしていると、安心して本業に取り組むことができると言えるでしょう。

 

PL法と生産物賠償責任保険


PL法が施行されたことによって、消費者は「損害の発生」「当該製品の欠陥の存在」「欠陥と損害との因果関係」を立証することで、製造業者に損害賠償責任を果たしてほしいと、裁判を起こすことができるようになりました。

従来の「製造業者等による過失の有無」は、問われなくなっているのです。

そのため、企業としては生産物賠償責任保険に加入をすることで、損害賠償金や争訟費用、あるいは特約をつけることでリコール費用などの保障を受けられる状態にしておく、という必要が出てきたのです。

また、海外のPL法にもとづいて、海外で訴訟が起こされた場合には、現地の法解釈に詳しい、現地で弁護士として活動する資格のある専門家に事故処理を依頼する必要が出てきます。

保険会社によっては、海外での事故処理に長けているところもありますので、自社の事業内容を把握した上で、保険代理店、ファイナンシャルプランナーなどに相談をしてみましょう。

 

PL法とは

PL法とは、消費者保護の観点から設けられた法律で「製品・商品の欠陥によって身体的な障害や、物を損壊されるなどの損害を負った場合に、製造業者に過失があったことの証明を行わなくても、損害賠償請求を提起することができる」ことが、特徴となっています。

従来は、民法上の損害賠償責任を追及するしか方法はなく、その場合には「メーカーの過失」を消費者が証明しなければならず、それは事実上不可能なことも多かったのです。

PL法が施行されたことで、損害賠償請求は急増していますので、企業としては何らかの対策を採らざるを得ません。

また海外にもPL法はあるのですが、ひとたびPL訴訟を海外で起こされた場合には、現地の法律家と連携して対処しなければなりません。

そのため、保険会社の海外PL保険を利用する製造業者が増えているのです。

 

PL保険の保険料は?

PL保険の保険料は、前年度の売上高・売上金額に基本料率を乗じ、その他様々な係数を加味して決定されますので、一概に「いくら」とは言えません。

特に「保険料が安い」と言われているのは、商工会議所の「中小企業PL保険制度」で、これは商工会議所のスケールメリットを活かして、安い保険料が適用されているという面があります。

ただ、保険というものは「保険料が安ければ安いほど良い」のではなく、「イザというときに必要な保障が得られるようにする」ということが大事です。

保険金の支払限度額の設定を適切にすることや、特約などが必要ならばつけることも、保険会社ときちんと相談をして、適切に行っていくことが、一番大切となります。

 

PL保険の比較

PL保険の比較は「自社の状況を把握し、必要な保障を得る」ということが大切で、「単に保健料が安ければ良い」というわけではありません。

たとえば、PL保険には大きく分けて国内PL保険と海外PL保険があり、海外に向けて輸出を行っている製造販売業者の方は、海外PL保険に加入することが大事です。

一方で、輸出販売を行っていないという業者の方は、海外PL保険に加入することのメリットはあまりありません。

また、PL保険の保険金に限度額を定める場合にも「保険料が高くなっても、保険金の限度額を高く設定したほうが良い事業者」「あまり多額の保険金は必要がない事業者」など違いがあります。

自社にとって「必要な保障」を把握してから、PL保険の比較をすることが大事です。

 

PL保険は海外でも必要?


通常のPL保険は「日本国内」で起こった事故について、損害を補償してくれるという商品ですが、海外PL保険というものも登場しています。

海外PL保険は、輸出を行っている製造業者には、是非とも加入していただきたい保険です。

というのは、海外でのPL訴訟が起こされた場合には、現地の法律解釈ができるスタッフが必要ですし、現地の弁護士と連携して対処することが必要です。

さらに、連鎖クレームなどが起こりやすいのも、海外というところです。

また海外では争訟費用が莫大になることも多いのです。

以上のような理由から、PL保険は海外進出を目指す事業者にとっては必須のものと言えるでしょう。

また、自社が直接、海外輸出を行っていない場合でも、最終製品などが海外へ輸出されている場合には、海外PL保険への加入を検討したほうが良いかもしれません。

 

PL保険加入のメリットは?

PL保険に加入すると、加入者が製造、販売した製品や、行った仕事の結果(工事など)が原因で、他人の身体に障害を負わせたり、他人の財物を損壊してしまった場合で、法律上の損害賠償責任を負うことになった場合に、損害賠償金や争訟費用等の損害をPL保険がカバーしてくれるということが、一番のメリットです。

また、PL保険加入によって、事故処理のための対応を保険会社に任せることができる、というケースもあります。

海外PL保険に加入すると、海外では莫大になりがちな争訟費用や、損害賠償金について補償を受けられること、現地の法律や言語などに詳しい専門家に、保険会社を通して事故処理を依頼できることなどから、製造物の輸出を行っている業者にとっては、海外PL保険の加入はメリットが大きいものです。

 

PL保険とは

PL保険という名称は「Product Liability、製造物責任」を略したつけられた名称で「生産物賠償責任保険」と呼ばれるものです。

PL保険とは、自社が販売した物、製品や、自社が行った業務、仕事の結果が原因で、他人の身体に障害を与えたり、他人の財物に損害を与えたりした場合の、法律上の損害賠償責任を負担することで被る損害を、カバーしてくれる保険なのです。

また、PL保険とは「損害賠償金」のみを負担してくれるだけではなく、争訟費用(弁護士に支払う費用など)を負担してくれることや、保険会社によっては被害者への対応、マスコミや行政への対応などを、代行してくれるサービスも提供しています。

海外では、争訟費用がかなり高くなることもありますので、海外PL保険に加入しておくのが安心でしょう。

 

PL対策とは?

PL「法」対策と少し異なるのが、PL対策です。

PL「法」対策というのは、「製造物責任法による責任を回避するための対策」という意味合いが強くなってしまいますが、PL対策というのは「製造物責任を全うするための対策」です。

製造業者が製造した商品が「なるべく事故を起こさないようにする」「安全に関わる情報を、正しく消費者に伝える」「それでも事故が起こってしまった場合には、被害者を救済すること、事故をこれ以上広げないよう、できる限りの対処をする」といった対応をすべてひっくるめて表す言葉です。

最近は、製造された品の取扱説明書一つをとっても、消費者がわかりやすいように、工夫がされています。

「わかりやすい=事故を起こしにくい」ということにつながり、これも企業のPL対策の一つと言えるのです。

 

PL、製造物責任とは?

PLとは「Product Liability」の略語で、日本語では「製造物責任」と訳されます。

消費者が「何らかの製造物、商品を購入し、あるいは何らかの業務を依頼し、その製品や業務の結果が理由で発生した事故によって、身体に障害を負ったり、財物を損壊されたりした場合」に、従来の民法による損害賠償請求を起こすためには、「製造業者等になんらかの過失があった」ということを証明しなければなりませんでした。

しかし、PL(製造物責任)法の施行によって、製造業者等に過失があったかどうかの説明は不要となり、消費者にとっては損害賠償責任を追及しやすい時代となりました。

これは製造業者等にとっては厳しい状況であるため、PL保険に加入して対策をする事業者が増えているのです。

 
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